正道有理のジャンクBOX

経験から学ぶことも出来ないならば動物にも及ばない。将来の結果に役立てるよう、経験や知識を活用できるから人間には進歩がある。

正道有理のジャンクBOX

内閣調査室をゲシュタポと化した安倍のおぞましき政治支配

  内調は安倍の私的謀略機関

このところ自民党の総裁選をめぐって、内閣調査室(内調)の暗躍がクローズアップされている。

 

自民党総裁選の有力候補と目される石破氏の言動や、誰を推すのかに注目が集まっている小泉進次郎氏の動向、そしてこのタイミングで野田聖子氏の疑惑をリークしたのもおそらく内調がらみだろう。安倍総理は、自分に不都合な人物の動向を公私を問わず監視する恐怖政治を行なっている。しかし、これは今に始まったことでは決してない。安倍官邸が北村をキャップとする内調を私的な謀略機関として利用してきた痕跡は枚挙に暇がない。

   警察組織を使い野党の政治資金を一斉調査

2014年10月 第二次安倍改造内閣で入閣した小渕優子、松島みどりが政治資金問題などで追及され、次々に辞任。これに対抗するように野党幹部の政治資金収支報告書の記載漏れが次々と発覚し、読売新聞や産経新聞にリークされた。

この時期、内調は全国の警察組織を使って野党議員の政治資金の流れを一斉に調査させ、官邸に報告していたという。

   泥酔レイプ容疑の山口氏に対する逮捕を直前で見送らせる

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2015年6月 山口敬之氏の泥酔レイプ容疑での逮捕を妨害、山口氏から北村滋内閣情報官(内調トップ)に宛てたメールが週  刊新潮に誤送信されたことから関与が発覚。

伊藤詩織さんは2015年4月に元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に強姦されたと、警察に被害届を出した。逮捕令状が出され、成田空港で捜査員が布陣を敷き、山口氏の帰国を待っていたが、その直前に逮捕が見送られ、その後証拠不十分で不起訴処分となった。

山口氏は安倍首相に近しいジャーナリストであり、官邸の意思が働いたと考えられる。

 
    翁長沖縄県知事へのデマキャンペーンを組織

2015年10月 ネット上で沖縄県知事の翁長雄志氏に関するデマが流布された。

「長女が中国・上海の外交官と一緒になっていて、もう一人の娘も中国に留学している」と言うものである。翁長知事は、県議会の本会議で「娘のf:id:pd4659m:20180805211221j:plain一人は県内で勤めているし、末の女の子は埼玉の大学に行っている」と全面的に否定した。これは、新垣哲司氏(自民)の質問に答えたものだが、こうしたスキャンダルも官邸が内調にやらせていると考えられる。ネットや週刊誌などにデマを流し、これを議会で保守系議員に質問させて焦点化させ、政治的信用を失墜させることが目的なのである。

    都知事選の流れを変えた鳥越スキャンダル工作

2016年7月 都知事候補の鳥越俊太郎氏へのスキャンダルを工作。

出馬会見で「改憲の流れを変えたい」、安倍首相は「福島原発はアンダーコントロールされていると世界中に嘘をついた」と厳しく批判していた。

鳥越氏の脇が甘かったと言えばそれまでだが、この鳥越潰しを巡る内調の動きはその悍ましさを表している。リテラの記事からその一部を抜粋する。

「昨晩あたりから、内調の関係者がテレビや週刊誌関係者に鳥越氏の女性関係を聞いて回っているようなんです。昨日、内調のトップである北村滋内閣情報官が1日に2回も安倍首相と会っていたのも気になります、・・・まあ、首相が直接指示したかどうかはともかく、強力そうな政敵は内調を使ってスキャンダルを仕掛けてつぶす、というのがこれまでの安倍官邸の常套手段。今回、官邸は鳥越氏が出てくるのを相当嫌がっていましたから、女性スキャンダルを仕掛けるというのは十分あるでしょう。パイプのある『週刊新潮』か『週刊文春』にこっそりリークするというやり口でしょうね」(週刊誌記者)

「どうも、内調は今、鳥越氏のファッションアドバイザー的な役割をしている女性を愛人だと決めてかかっているようです。すでにリークを受けた週刊誌が張り込みを始めたという情報もある。また、仮にこれが不発でも、内調のことですから、過去の別れた元愛人を探し出して、官房機密費を彼女に支払って、週刊誌に告白させるなんて仕掛けもやりかねない」(前出・週刊誌記者)

http://lite-ra.com/2016/07/post-2415.html

 実際、21日発売の『週刊文春』で、【鳥越氏が2002年に女子大生のA子さんに強引にキスしようとし、それが今もトラウマになっている】と言う内容の暴露記事が掲載された。A子さんは既に結婚しており、その彼とは2002年当時から付き合っていた。この時、鳥越氏の件を聞いた彼が鳥越氏を呼び出し、鳥越氏は以後TVには出ないと約束して謝罪したが、都知事になるのだけは許せない、という事で14年目にして衆目に晒されることになった。鳥越氏は都知事選に立候補するまでは、幸か不幸か通常通り政治問題等にコメントすることが許されてきたのであるから、被害者にとっては、特に立候補したことそのものが許せなかったという事なのだろう。勿論、いかなる理由があるにせよ、鳥越氏のこのような行為は断罪されるべきである。

ここでは、メディアを利用し政権にとって目障りな政治家を追放していく陰湿で謀略性に満ちたやり方が、安倍政権の下では特に異様なものであると同時に、こうした内調の暗躍が常態化している事だけを指摘したい。

 投票まで2週間を切るタイミングでこの暴露記事が出された結果、選挙情勢はどう変わったか。ここに、ほぼ小池氏当選の流れは確定したのである。

【記事が出る前】
毎日新聞>小池氏、鳥越氏競り合い 増田氏が追う
日経新聞>小池氏が序盤先行 鳥越・増田氏が追う
産経新聞>小池氏一歩リード 鳥越氏、増田氏が急追
共同通信社>小池氏と鳥越氏が競る 増田氏追走

【記事が出た後】

<読売新聞>小池・増田氏競り合い、鳥越氏が追う
日経新聞>小池氏先頭に終盤なお接戦
中日新聞>小池氏がリード
JNN>小池氏を増田氏が追う展開

  山尾志桜里氏への高額ガソリン代キャンペーン

2016年3月~秋

「保育園落ちた」ブログの一件で安倍首相を追い詰め、2年目にして民進党政調会長(当時)に抜擢された山尾志桜里衆院議員に“政治資金疑惑”が浮上した。

  3月31日発売の「週刊新潮」が書いた山尾氏が代表を務める「民主党愛知県第7区総支部」が計上した12年のガソリン代が230万円にものぼることなど大々的に報じたからだ。

 この「週刊新潮」の記事を受けて、産経新聞夕刊フジが一斉に山尾政調会長への追及を開始する。「なんと地球5周分」「驚愕のガソリン代」と激しく攻撃し、それに歩調を合わせるように安倍応援団・ネトウヨは「ガソリーヌ山尾志桜里」のレッテルを張り、一斉に攻撃を開始した。しかし、これは取り立ててあげつらい、議員の政治生命を断つほどの問題では初めからなかった。

以下、『リテラ』記事を引用する。

・・・全国紙政治部記者が、こう答える。
「いずれの問題も、甘利明元大臣の口利き疑惑などとは比べものにならないしょぼい不正で、自民党の議員にしょっちゅう発覚しているレベルの政治資金報告書の虚偽記載。・・・ガソリン代については、事務所内での架空請求、秘書の使い込みが起きていた可能性があるようですが、これにしても山尾氏はむしろ被害者。・・・被害弁済を求めるなり、横領罪で訴えることで一件落着する可能性が高い」

そもそも、それを言うならば安倍首相が代表をつとめる「自民党山口県第4選挙区支部」が同じ12年に計上したガソリン代はなんと573万2858円(しかも、これは自民党が政権を奪回する前である)と、山尾政調会長の「民主党愛知県第7区総支部」の2.5倍! 山尾氏が地球5周分なら、こちらは地球12周分のガソリンを計上したことになる。それも13年、14年と続いているのだ。菅官房長官にしても同じようなものだ。

  したがって、山尾氏の冷静な対応もあって、この目論見はそれ程成功しなかった。

 とはいえ、これが官邸の仕掛けた山尾潰しの謀略であることは次の政界関係者の声からも明確である。

「山尾スキャンダルが官邸の仕掛けであることは、『週刊新潮』の記事に、官邸幹部のコメントが登場していることからも明らかだよ。実際、官邸と内閣情報調査室は、政調会長抜擢が浮上した2月くらいから、しきりに山尾のスキャンダルを流していたからね。山尾はアニー主演歴とルックスのよさといった話題性もある上、実は相当の実務肌。昨年の衆院法務委員会では、刑事訴訟法改正の問題点を次々と明かして自民党議員をきりきり舞いさせ、民主党案の一部を飲ませることに成功している。官邸は今後、山尾がダブル選挙前に目立った存在になって、自民党政調会長稲田朋美と比べられたらたまらないと警戒。“なんでもいいから山尾をつぶすネタを探せ”と大号令をかけていたんだ。実際、2月の衆院予算委員会で、山尾が『保育園落ちた』ブログを取り上げた直後に、このブログが山尾の仕込みだという情報が流れたが、これも内調の仕掛けだった。もっとも、これは誰が見てもわかるガセで、不発に終わったため、ここにきて、当初、リークしていた細かい政治資金報告書問題をもち出したということだろう。『週刊新潮』と産経は完全に謀略だとわかっていて、乗っかっていると思うね」(リテラより引用)

   山尾氏の身辺調査~不倫スキャンダル

そして、高額ガソリン代計上というスキャンダルのデッチ上げが不発におわった官邸=内調はさらに山尾氏の徹底した身辺調査とスキャンダルの口実探しに奔走する。

その中で掴んだのが、山尾志桜里氏と夫の恭生氏の不和、恭生氏自身の事業展開にまつわるトラブル、そして山尾志桜里氏と倉持弁護士の関係だったのである。内調は山尾氏と夫・恭生氏、恭生氏自身の事業をめぐる対立とトラブルなどの人間関係のもつれを巧みに利用し、そこにつけ込みながら『週刊文春』を通して不倫キャンペーンを繰り広げた。

 民進党野田幹事長の辞任と混乱の仕掛け人は誰か?

 おりしも、民進党が野田幹事長の辞任とその後継をめぐって混乱していた、大会前の時期とも重なっている。衆院の冒頭解散を狙っていた安倍政権が民主党を貶める絶好のチャンスとして内調、メディア、民主党内の情報提供者が一体になって仕掛けた一連の陰謀と考えて間違いあるまい。

これについては、以前に記述した記事を参照されたい。

⇒ http://pd4659m.hatenadiary.jp/entry/2017/11/04/230629

   文科省事務次官・前川喜平氏へのスキャンダル

2017年5月22日 学校法人「加計学園」をめぐり、「総理のご意向」と記した文書を、前川喜平・前文部科学省事務次官が本物と証言し、野党による国会での追及が続く中、読売新聞の朝刊が「前川氏が在職中に出会い系バー通いをしていた」とスクープ記事として報じた。このスキャンダルは地下鉄サリン事件当時の警察庁警備局長で公安畑を歩み神奈川県警本部長から内閣情報官になった杉田和博官房副長官のもと内調が嗅ぎまわって掴んだ情報であった。事実、前川前事務次官の場合、16年秋の時点で杉田和博内閣官房副長官から呼び出され、”出会い系バー通い”を厳重注意されている。もちろん勤務時間外のことで違法性もなく、前川氏自身もやましい動機に基づくものでなかったのでその時は問題にならなかった。

しかし官邸が勤務時間外の役人の私的な言動を把握するために、公安警察を使って監視や尾行、周辺の聞き込み等の行為を行っていることを如実に物語るものであった。

その中心となっているのが、公安警察出身の杉田官房副長官内閣人事局長)である。

 

同じく公安出身の官邸謀略隊、“安倍のアイヒマン”こと内閣情報調査室のトップ・北村滋内閣情報官と共に、もっぱら、官僚の行動を監視しているのが杉田官なのである。

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 釜山総領事 森本康敬氏の更迭

 2017年6月 韓国・釜山総領事 森本康敬氏の更迭 森本氏がプライベートの席で慰安婦像をめぐる安倍総理の対応に異を唱えたことを内調がつかみ、官邸に報告した結果だと言われている。

先ごろは、新潟県知事選挙においても官邸と内調は選挙終盤において、地元紙を使ってデマキャンペーンを行い、取り返しのつかない打撃をもたらした。

安倍晋三と官邸は、自分に従わない政治家の排除や、公私にわたる官僚の動向を日常的にマークし、少しでも意に沿わないものにはスキャンダルや些細な不正やミスを突いて追放するという恐怖政治を行っている。その私兵となっているのが内調である。

しかし、このような政治手法は遠からず人民を統制する手段、即ち、かつての特高警察が横暴の限りを尽くしたような警察国家へと向かうことは明らかだ。

 

<安倍首相が総裁選に向け「内調」に石破茂の監視をさせていた! 政府機関を私兵化・謀略装置化する横暴> http://lite-ra.com/2018/08/post-4162.html